現在のアーケード対戦ゲーム環境を理解しようと考える場合、
もっとも適切な出発点はやはり「三国志大戦」だろう。
純粋なゲームとしての奥深さは勿論、常に頭を悩ませるデッキ構築、
カード収集の楽しさ、それに伴うコミニュティの広がり、
そして何よりも、リアルタイムで全国通信対戦が可能という点で
「三国志大戦」は考えうる限りで目下最高の対戦ツールといえる。
こんな場所で考察するのに適切な題材かどうかはまた別の問題だが、
大多数のプレイヤーがゲームセンターで日夜対戦に励む限り、
少なくとも無難な選択肢であることは間違いない。
また「三国志大戦」はプレーしていて非常にエキサイティングなゲームだ!
今まで私がプレイしてきたいくつかのトレーディングカードゲーム
(主にMTG)にも上記の楽しみのいくつかは十分に当てはまる。
しかし三国志大戦が他のトレーディングカードゲームと一線を画し、
またスト3等の対戦格闘ゲームをも凌駕する奥深さを生み出しているのは、
このゲームが紛れも無い「アクションゲーム」であるという事実だ。
あなたが大金を払って買って来たその金ピカのカードは、
盤面に置いただけでは他のカードより少し余計に照明を反射して眩しく、
厳重なハードケースはただ他のカードを動かすのに邪魔になるだけの代物だ。
三国志大戦には、手札に入っていたら(大抵の場合)場に出すだけで
戦場を支配してくれるリン・シヴィーやThawingGlaciersは未収録だ。
ましてや盤面上に置いておくだけで、後は少しの運とボタン操作が有れば・・
あなたに勝利をもたらしてくれるティエリ・アンリなど存在しない!
勝利に必要なのは卓越したカード操作で細かいテクニックを駆使出来る
戦術的素養、そして大局から戦況を把握しコントロールできる戦略眼だ。
この両方をバランス良く高レベルで維持し続けられるプレイヤーだけが
覇王と呼ばれる栄光にあずかる事が出来る。
興味を持たれた方はセガチャンにて毎週最新の頂上決戦動画が
配信されているので、是非ご覧になってみてほしい。
まるでセガの回し者かの如く三国志大戦を絶賛したが、勿論このゲームにも
二つだけ欠点がある。1つはプレイ料金、もう1つは進軍ボーナスの問題だ。
私自身は今のところ甘んじてこの高いプレイ料金を払う用意がある。
だがこれが新規プレイヤー参入の敷居を高め、また対戦するデッキの
バリエーションを狭めている事は否めないだろう。
[この後、本記事では流行のデッキと対戦する場合の注意点や
注目女武将の勝ちセリフ等についても述べられているが、
文字数の都合により省略させて頂いた。もし興味のある方は
「MinmeiBooks Online」の記事を参照されたい(ただし、英語で)]
文:ズヴィ・フォレショウィッツ
訳:戸田奈津子